クルーズの会員ランク完全ガイド|船会社別の制度・特典・効率よく上げる方法
クルーズには、乗るほど優遇が増えていく会員プログラム(ロイヤルティプログラム)があります。ホテルや航空会社の上級会員制度と考え方は同じですが、クルーズならではの特徴がいくつかあり、知らないと損をする場面もあります。ここでは仕組みと主要船会社の制度、効率よくランクを上げる考え方を整理します。
まず押さえたい3つの原則
- ランクは「船会社」ごとに独立している — プリンセス・クルーズで貯めた実績はMSCクルーズには持ち込めません。会社をまたぐと基本的にゼロからです。
- どの旅行会社で予約しても、実績は船会社に貯まる — 同じ航海を複数の旅行会社が売っていますが、会員実績は船会社側に記録されます。安く売っている会社から予約しても不利になりません。
- 登録は無料で、1回目の乗船から始まる — 入会金や年会費はかからないのが一般的です。初回乗船で自動的に会員になり、以後は乗るたびに積み上がります。
2つめは、当サイトのように複数社の価格を見比べる場合にとくに重要です。「上級会員だからこの旅行会社で買わないといけない」ということはありません。予約時に会員番号を伝えれば、どこ経由でも実績はつきます。
何を数えてランクが決まるのか
船会社によって数え方が違い、ここが戦略の分かれ目になります。大きく3タイプです。
- 乗船回数で数える — 3泊でも14泊でも1回。短い航海を数多く乗るほど有利です。
- 泊数(日数)で数える — 長い航海1本が、短い航海を何本も乗るのと同じ重みになります。
- ポイントで数える — 泊数を基本に、上位客室に泊まると加算が増えるなどの重み付けがあるタイプです。
「回数」型の会社なら3〜4泊の短い航海を重ねるのが効率的で、「泊数」型なら長期クルーズが一気に効きます。自分がよく乗る会社がどちらの数え方かを知っておくと、同じ予算でもランクの上がり方が変わります。回数と泊数のどちらか有利なほうで判定する会社もあります。
主要船会社の会員プログラム
当サイトに掲載のある船会社の制度は次のとおりです。ランクの名称は比較的長く使われていますが、必要な回数・泊数や特典の内容は見直されることがあります。検討の際は必ず各社の公式ページで最新の条件をご確認ください。
| 船会社 | プログラム名 | ランク(下位→上位) |
|---|---|---|
| プリンセス・クルーズ | キャプテンズ・サークル | Gold → Ruby → Platinum → Elite |
| MSCクルーズ | MSCヴォヤジャーズクラブ | Welcome → Classic → Silver → Gold → Diamond |
| ロイヤル・カリビアン | クラウン&アンカー・ソサエティ | Gold → Platinum → Emerald → Diamond → Diamond Plus → Pinnacle Club |
| ノルウェージャンクルーズライン | ラティチュード・リワード | Bronze → Silver → Gold → Platinum → Sapphire → Diamond → Ambassador |
| セレブリティ・クルーズ | キャプテンズ・クラブ | Classic → Select → Elite → Elite Plus → Zenith |
| キュナード | キュナード・ワールドクラブ | Silver → Gold → Platinum → Diamond |
| ディズニー・クルーズライン | キャストアウェイ・クラブ | Silver → Gold → Platinum → Pearl |
| カーニバル・クルーズライン | VIFPクラブ | Blue → Red → Gold → Platinum → Diamond |
| ホーランド・アメリカライン | マリナー・ソサエティ | 1〜5 Star Mariner(星の数で表す) |
| コスタクルーズ | コスタクラブ | Ambra → Corallo → Perla → Perla Oro → Perla Diamante |
ランクが上がると何が変わるか
特典の中身は会社ごとに違いますが、よくあるものは次のとおりです。下位ランクでも受けられるものと、かなり上位でないと届かないものに分かれます。
比較的早い段階で受けられるもの
- 船内クレジットや割引の案内、会員限定の先行販売
- 乗船手続きの優先レーン、優先乗下船
- ランドリー(洗濯)の無料・割引
- 船内Wi-Fiやドリンクパッケージの割引
- 会員向けパーティーやラウンジへの招待
上位ランクで効いてくるもの
- 客室の無料アップグレードの優先枠
- 予約時の内金(デポジット)が不要または減額
- 専用のラウンジ・レストランの利用
- 寄港地ツアーやスパの割引
- 同行者への特典の一部適用
実利で見ると、効きが大きいのはランドリー無料とWi-Fi・ドリンクの割引です。長い航海ほど効果が積み上がるので、10泊を超える日程では体感が変わります。逆に、パーティー招待などは「あれば嬉しい」程度と割り切ったほうが期待とのずれが出ません。
効率よくランクを上げるには
会社を絞る
最も効くのは会社を分散させないことです。3社に3回ずつ乗るより、1社に9回乗るほうがランクは確実に上がります。方面や日程の好みで選ぶ会社が決まっているなら、意識して寄せる価値があります。
数え方に合わせる
「回数」で数える会社なら、日本発着の3〜4泊クルーズは費用対効果が高い積み上げ方です。「泊数」で数える会社なら、2週間の長期クルーズ1本が大きく効きます。同じ金額を使うなら、その会社の数え方に沿った乗り方のほうが早く上がります。
同室者の扱いを確認する
同じ客室に泊まった同行者にも実績がつくかは会社によって違います。夫婦や家族で乗る場合、全員に加算されるなら世帯としての進みは倍のペースになります。予約時に全員ぶんの会員登録をしておくのが基本です。
グループ内の他ブランドを確認する
同じ企業グループに複数の船会社が属している場合、実績が一部通用することがあります。予約前に対象範囲を確認しておくと、乗る会社の選び方が変わることがあります。
日本船の場合
飛鳥Ⅱ・飛鳥Ⅲの郵船クルーズ、三井オーシャンフジ・三井オーシャンサクラ・にっぽん丸の商船三井クルーズにも、それぞれ会員組織があります。海外船社と同じく乗船実績に応じた優遇があるほか、会報誌の送付や先行案内など、次の航海の情報が早く届くという性格が強いのが特徴です。
日本船は同じ船に繰り返し乗る利用者が多く、船側もそれを前提にした運営をしています。乗る会社が決まっているなら、初回から登録しておくのが素直です。
予約するときの注意点
- 予約時に会員番号を伝える — 後からの追加登録は手続きが必要になったり、間に合わないことがあります。旅行会社経由で予約する場合も、申込時に番号を伝えれば反映されます。
- ランクの反映タイミングを確認する — 乗船後すぐではなく、下船から数週間後に反映される会社もあります。次の予約でランクの特典を使いたい場合は余裕を見てください。
- キャンセルした航海は実績にならない — 当然ですが、実際に乗った航海だけが対象です。
- 制度は変わる — ランクの必要条件や特典は改定されます。この記事は仕組みの理解のためのもので、条件の保証はできません。
会社選びを先に、ランクは後から
最後に現実的な話をすると、ランクのために行きたくない航海を選ぶのは本末転倒です。年に1〜2回のペースなら、上位ランクに届くまでには相応の年月がかかります。
まずは行きたい方面・日程・予算で航海を選び、その中で「同じ条件なら乗ったことのある会社を選ぶ」くらいの優先度で十分です。当サイトでは同じ航海を複数の旅行会社の掲載からまとめて比較できますので、条件をそろえて見比べてみてください。
各社の会員条件・特典の最新情報、および料金・空席・日程は、必ず船会社および各販売会社の公式ページでご確認ください。